猪熊兼勝氏講演会にご参集ありがとうございました。

令和にあらたまった最初の「若菜祭」の記念講演を考古学者、猪熊兼勝先生にお願いしておりました。春の行事はすべて中止となり、このたびの自粛規制の時期を経ましたが、猪熊先生には再びお願いをし、本日6月20日ようやく実現することができました。明日香村での各種行事も集会する場所が限られているのですが、犬養万葉記念館も密の状態で定員が40名ですので、今回だけは教育文化課のご理解のもと、明日香村健康福祉センター「かんなびホール」で、ホール定員の3分の1集客と言う条件で、また主催者側からは完全申込制、マスク着用条件で行いました。今月に入ってからの講座告知でしたが、あっという間に定員を満たし、みなさんが楽しみにしていてくださったことを知りました。

猪熊先生には「大津皇子の時代」というテーマで、大津皇子を軸に飛鳥時代の政権推移の背景の歴史を考古学的見地から説明して頂きましたが、特に明日香村での名所と言われる「石」や遺跡などについての謎も解け、また万葉歌もご紹介くださりながらの90分は、あっという間でした。学会発表のように講座内容をきちんと文章にまとめあげてくださったものを各自の資料として提供してくださいましたので、聴講された方々は、帰宅されてからもう一度おさらいをされたことでしょう。私が興味深かったのは猪熊先生の準備されたスライドでした。キリストの聖骸布ではありませんが、鎌足の遺骸のレントゲン写真や(びっくり!)、飛鳥資料館勤務の時にご自身が制作に関わられた山田寺仏頭のポスターや(今はプレミアがつく「作品」となったそうです)、もちろん多くの貴重な発掘写真など、先生の来し方を納得するものでした。質疑応答の時間も講座関連のみならず、猪熊先生が関わってこられた多くの発掘の成果とその中でもキトラ古墳の被葬者は誰か先生の見解を聞いてみたい・・・と尽きない時間でした。

柔和な語り口で、エピソードも交えながらの90分でしたが、折々に猪熊先生の情緒的なお人柄を感じました。雑談をする中で、阪神タイガースのファンであることも知り、御年82歳でいらっしゃいますが、ますますお元気にご活躍頂きたいと思いました。次回は犬養万葉記念館で講演会が開催できることを願っています。