大発見!多摩川児童公園の万葉歌碑解説板に犬養先生の解説が!

東京の多摩川児童公園に、次の2首が揮毫された歌碑がある。
巻14-3373 多摩川に さらす手作り さらさらに なにぞこの子の ここだ愛しき
巻20-4417  赤駒を 山野にはかし 捕りかにて 多摩の横山 徒歩ゆか遣らむ

東京調布ロータリークラブが建立した歌碑で、その解説板には「赤駒を」の歌の後に、犬養先生の解説が引用されている。
「天平勝宝七年(775)二月防人の交代のときの、武蔵國豊島郡出身の防人の妻の歌です。防人は九州、壱岐、対馬の辺要を守る兵士で、当時、東国から徴集され、三年交替で、国々の役人に引率され、難波津に集結し大宰府に送られます。当時、防人は馬で行くことを許されていたので、遠い旅路をせめて馬で行かせたいという妻の心であったが、折から放牧時期であったため、赤駒が山野に放たれていたのが捕まらず、多摩の横山の道を歩いて行かねばならなくなったという妻の嘆きの歌であります。(犬養孝氏の解説引用)」

この碑は、調布市多摩川5丁目37−1にあり、多摩川が目の前にある、第8消防区分団火見櫓・多摩川児童公園管理事務所のある場所で、多摩川白衣観音菩薩が併設されている。京王閣競輪場(東京オーヴァル京王閣)から東方に京王相模原線を越えたすぐの場所に位置し、京王多摩川駅より南(多摩川方面)に100mのところにある。ここは犬養先生の「万葉の旅(中)」P216「多摩川」に紹介されている玉川歌碑からわずか西へ2kmに位置していた。