第16回万葉の歌音楽祭を終えて

天候不順な日々が続き、石舞台公演の野外ステージ「風舞台」での開催でしたので心配されましたが、犬養高気圧に見守られ9月17日に無事終了いたしました。第16回目を迎えた「万葉の歌音楽祭」も、一次審査を突破した10組の出演者の方々は、北海道、東京、広島など、関西の方々だけではなく、広く各地から応募ご参加頂き、本選には明日香村まで参集していただきました。

さて、秀作がひしめく中、大賞は東京都の大野信誓さんの「茜さす光のなかで」に決定。明るく華やかなスケールの大きな作品は男女デュオのボーカルも効果的で、圧倒的な審査員票を獲得し、圧巻の大賞受賞でした。明日香賞はその他、集票の差がない作品群の中で、一般審査員の投票が最も多かったことが頭一つリードし、明日香賞に決定。兵庫県の草深 百合さんの「さおとめの四季」を歌った明日香小学校の子供たちに賞品の飛鳥米が授与されました。審査員特別賞は奈良県の三村光子さんの「貧窮問答の歌」が選出されました。ご高齢のご夫妻でしたが、奥様が作曲・ピアノ伴奏、ご主人が歌唱というお二人の息の合った演奏に審査員の票が集まりました。それぞれに個性あふれる受賞作でした。また、入賞を逃された方々もどなたが受賞されてもおかしくない接戦で、音楽祭に寄せられた作品のレベルの高さを物語っていることに感心いたしました。ご出演のみなさま、お疲れ様でした。ありがとうございました。

『昭和萬葉集』をご存知でしょうか。

今年で73回目の「敗戦記念日」を迎えた。天皇陛下も退位を控えられた、平成時代最後の戦没者慰霊の記念式典に参列された。『万葉集』には、防人歌に代表されるように、国家のために召集されて任務に就く東国の若者の建て前と本音と両方の姿や心を読み取れる歌群がある。そのように日本人に刻まれた戦争の記憶を『昭和萬葉集』にも多く残されている。

『昭和萬葉集』は、昭和54年から55年にわたって刊行された、『万葉集』と同じく全20巻(別巻1巻)の全集である。

昭和1年から半世紀にわたる激動の時代につくられた短歌を、時代を追って分類、配列した一大アンソロジー収録歌と言える。また、収録の基準も『万葉集』にならい、天皇の御製から家人、一般人に至るまで1052万首から選ばれた5万首が掲載されている。昭和50年間の時代変動とその時々の日本人の生活感情を記録する、いわば庶民の生の声の集大成である。

巻一、 昭和時代の開幕 ・巻ニ、 軍靴の響き ( 満州事変 )・ 巻三、 ニ・ニ六事件 ( 軍国主義の台頭 )・巻四、 日中戦争 ・巻五、 大陸の戦火・ 巻六、 太平洋戦争の記録・巻七 、山河慟哭 ( 焦土と民衆 )・ 巻八、 復興への槌音・ 巻九、 冷戦の谷間で ( ー朝鮮戦争ー )・巻十、 独立日本・ 巻十一、 戦後は終った (テレビ時代の幕開け )・ 巻十二、 都市化の時代・巻十三、 60年安保の嵐・ 巻十四、 東京オリンピック・ 巻十五、 昭和元禄・ 巻十六、 万国博と70年安保・巻十七、 日中国交回復・ 巻十八、 高度成長の終焉・ 巻十九、 戦後日本の総括・巻二十、 昭和50年の回顧・ 別巻 昭和短歌・資料編

編集顧問に土屋文明、土岐善麿、松村英一、選者には木俣修、窪田章一郎、佐藤佐太郎ら9名。出版にあたって当時の大募集の規模に加えて、昭和という時代が「すべてが忌まわしい戦争に集約されている」ことから、時代状況がこの歌集に特別な性格を与えている。「8月」は日本人には「原爆」「終戦」など、先の戦争を思い起こす季語ともいえる月であり、テレビ、メディアでも「戦争の悲惨さ」「核兵器の廃絶」などを取り上げ、「人類の罪を再び犯してはならない」ことを語り継ぐ特集番組なども多い。こうして、この『昭和万葉集』にも先人の心の叫びや、体験が生々しく歌われており、「歌」があらためて私たちに平和への思いを強くさせてくれる。犬養万葉記念館には、『昭和萬葉集』全集が犬養先生の所蔵本として寄贈されているが、書庫を整理しながら久しぶりに手に取ってみて、胸に去来するものがあった。

『万葉集』以降、1000年以上を隔てて庶民の歌が集められた国民的歌集『昭和萬葉集』をぜひ一度ご覧頂きたく、ご紹介させて頂く。犬養万葉記念館でぜひご覧ください!

「誰やらが 書きしか母と いふ文字の 机の隈に 薄く残れる」

「さがし物ありと 誘ひ夜の蔵に 明日征く夫は 吾を抱きしむ」

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河内音頭を聴く会in明日香を終えて・・・。

 

連日の猛暑の中、盆踊りの時期を迎え本格的に稼働されている河内家菊水丸さんの独演会が、当記念館でも催されました。菊水丸さんは盆踊りでは櫓の上で「音頭を取る」歌い手ですが、記念館では「河内音頭」で謡われる「作品」を語りとしてじっくり聴きたいということで「河内音頭を聴く会」を毎年催しています。

今年の出し物は、「元禄繚乱、大石書き損じの掛け軸」と「祐天吉松」の二席。人情ものゆえ、涙ぐんで聞かれた方もあり、来てよかった・・・とお客様が満足してくださったことは本当に嬉しいことでした。私は途中記念館への来客の対応もあり、落ち着いてゆっくり聞けなかったことは個人的に残念でしたが、出し物の間の菊水丸さんの軽妙なトークや、お客様に対するサービス精神は本当にプロフェッショナルであることを教えて頂きます。

今は、1つの課題として、数年前から「聖徳太子物語」に取り組んでおられ、和太鼓の三条史郎さんが歴史資料を紐解きながら、河内音頭としての作品を作っておられます。毎年1作づつ加わり、もう5作になられたとか。あと3作だったか、完成まで大プロジェクトとして「新作」にも挑戦されています。伝承芸能の継承と、新たな作品作り、また「日本・大阪」の代表的な芸能としての活躍など、精力的に活動されている中、「岡本」とのご縁を大事にして頂き、犬養万葉記念館で「独演会」を催してくださるご厚意に心からありがたく思っています。
ギターの石田雄一さんは、作曲家(通称:朝潮橋のバッハ)でもあり、白浜のアドベンチャーワールドのテーマ曲で有名ですが、翌日パンダの良浜(らうひん)がオメデタか?!とのニュース!タイムリーでした。

あえて失礼を申し上げると、こんなに身近に日本人の琴線に触れるような語り、話を聴くことができる貴重な機会であるのですが、お客様は村外からの方が多く、明日香村の方は残念ながら記念館やイベントについて関心を持って来てくださる意識の高い方々で、記念館近辺の方々の参加のないことが不思議でもあり、非常に残念です。明日香村で開催できることのメリットを大いに共有して頂きたいと行っている記念館イベント、今後も私たちの課題は続きます。

 

12月2日(日)岡本三千代の万葉講座(万葉うたがたりコンサート)

館長講座の12月は、岡本三千代が主宰します「万葉うたがたり会」のコンサートを行います。
いつもの講座ではなく、皆さんに一度、生のステージを聞いていただきたいと思っております。観覧ご希望の方は事前にご予約ください。

日時:12月2日(日)13:00~(開場12:30)
場所:南都明日香ふれあいセンター 犬養万葉記念館
費用:2,000円
予約:要

万葉うたがたり会のコンサート活動も38年を過ぎ、8月には9枚目のCDもリリースしました。

犬養万葉記念館の館長となってから、やはり「万葉発信」も必要・・・と月に1度、万葉講座を開催しておりますが、本来「万葉うたがたり」というスタイルで活動しておりますので、受講の方々優先にぜひ体験していただきたく、コンサートを計画いたしました。
ぜひ、ご来場いただきたくご案内申し上げます。(岡本記)

10月1日~23日 廣瀬孝子[光のオブジェ]展

今春、1か月にわたって犬養万葉記念館で「書」と「陶芸」の個展をされた廣瀬孝子さんのご厚意で、終了後、その中の作品を1点記念館に寄贈いただきました。灯篭でしたので、秋の明日香村の「光の回廊」のイベントでぜひ、灯を入れて館庭で楽しみましょうとお約束をしていたにもかかわらず、岡本館長の公務「みいらく万葉フォーラム」の出演と重なり、今年の光の回廊のイベントも辞退するはめとなりました。ところが廣瀬さんのほうで、行われるであろう光の回廊イベントのために思いがけず新たに作品を作ってくださっており、「犬養万葉」と文字まで彫ってくださっていました。今年の中秋の名月も、記念館では「お月見の会」ができなかったので、十三夜の栗名月(10月21日)を楽しみにしておりましたが、広瀬さんのご厚意に意気に感じ、急遽「光のオブジェ展」を開催し、「月」「光」「灯り」をテーマとした特別展を開催することにいたしました。

廣瀬さんの作品に加えて、末石泰節さんの備前焼のスタンド、坂本信幸先生の奥様のちづる様の「椿」のステンドグラス作品など、まさに「光のオブジェ」となりました。犬養先生の没後20年を経て、犬養先生の意思を引き継ぐ象徴的な「ともしび」の展示ができることを心からうれしく思います。ぜひ、お訪ねくださいませ。(岡本 記)

期  間: 2018年10月1日(月)~10月23日(火)
開館時間: 10時~17時(入館受付は16時30分まで)
会  場: 南都明日香ふれあいセンター 犬養万葉記念館

「万葉の人々を描く4」絵画展開催中(9月25日まで)

ただいま明日香小学校の子どもたちの「絵画展」を開催中です。4年前から一貫した同じテーマ「万葉の人々を描く」で夏休み明けに提出していただいた作品です。子供たちの持つ「古代人のイメージ」「万葉の人々」ってどんなのだろうというところから始まりました。飛鳥時代を象徴する天武天皇や女帝などがテーマになっているのでは・・・と想像していた「大人」の感覚とは違い、働く人々であったり、古代の生活・文化を顧みる作品であったり、明日香村の伝承芸能の場面であったり・・・と「子供の眼」にあらためて感心させられる作品が集まりました。おかげさまで、毎年意欲的に参加してくださる方に加えて、今年は10点の作品の展示です。やはり見てくださる方や、子供たちのよい刺激ともなるようにと、前犬養万葉記念館館長である烏頭尾精氏が著名な画家でいらっしゃることから、優れた作品を選んでいただき、そのご意見をもとに記念館で「賞」をつけさせていただきました。ではネット上でも作品をご紹介いたします。芸術の秋、子供たちの素晴らしい絵画作品をご鑑賞ください。

展示期間: 平成30年9月15日(土)~25日(火)

出展いただきましたみなさんの作品と受賞内容をご紹介します。

 

1年1組 山﨑 理生 さん 「きれいな服を着た万葉びと」 敢闘賞

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1年1組 柏井 悠加 さん 「額田王」

 

 

 

 

 

 

 

1年2組 尼子 瑛理 さん 「茶碗売り」 記念館賞

 

 

 

 

 

 

 

1年2組 ひらみ ももあ さん  館長賞

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2年2組 増田 大偉志 さん

 

 

 

 

 

 

 

3年1組 山﨑 悠生 さん 「古墳をつくっている万葉びと」 烏頭尾精賞

 

 

 

 

 

 

 

3年2組 尼子 岳歩 さん 「木簡に字を書く人」 入賞

 

 

 

 

 

 

 

5年2組 赤松 里咲 さん    大賞

 

 

 

 

 

 

 

5年2組 増田 愛香 さん    入賞

 

 

 

 

 

 

 

6年1組 藤本 千晴 さん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

出展いただきましたみなさん、ありがとうございました。

 

 

ホームページの心機一転です。

FBで簡単に報告や告知ができますので、つい、ホームページの館長日記を怠って居りました。もう少し、まめに綴っていきたいと反省しきりです。

さて、新年度を迎え、ホームページも画像や個別のカテゴリーが見やすいようにと、少し変更してみました。

季節を告げる木々や草花なども増え、イベント報告も加えた「記念館の四季」写真として今後も公開していきたいと思います。

また記念館の多目的ホール(つばいちホール)のレンタルについての一覧や、(今後の消費税の増額も視野に!?)、少しだけ金額の改定もございますので、ご確認ください。

ホームページ、FBの充実によってますますの情報発信に努めたいと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。

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新年書き初め展によせて。


今年で4回目の「新年書き初め展」を開催中です。
岡本館長になった年が、犬養孝先生の干支でもある「未」年でしたので、「ひつじ」をテーマとした書き初め募集をいたしました。
もう少し応募の範囲を広げたかったのですが、とりあえず明日香小学校の当時の城本校長先生のご理解を頂き、対象は明日香小学校の児童たちに絞りました。

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昨年は「さる」昨年は「とり」そして今年は「いぬ」がテーマです。
「テーマ」の言葉に対する反応も含めて、言葉遊び的な作品も毎回期待しております。

今年の大賞作品は、4年生の赤松里咲さんの、書と添えられた狛犬の絵も素晴らしく、画家の烏頭尾先生の賞も受賞といううれしいダブル受賞となりました。本当におめでとうございます。
また、工夫して絵と書のコラボ作品や、干支の「戌」をはじめ、たくさんの「犬」作品が楽しい今年の展示となりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

大賞・烏頭尾精賞    赤松里咲(4年)
鈴木葩光賞       松谷美弥妃(6年)
アイデア賞       山崎悠生(2年)
犬養万葉記念館賞    森田陽奈(6年)
岡本館長賞       辰巳 凛(2年)

残念ながら入賞者はありませんでしたが、5年生の学年カラーというか、個性が光りました。
みなさん、素晴らしい作品ありがとうございました。1月30日まで展示をしております。ぜひ子どもたちの作品を観にご来館ください。

思いがけないご厚意♡

新年早々、大変恐縮する、ありがたい出来事がありました。
かつて犬養先生とご一緒に万葉旅行にされてから、「万葉ファン」として、ご転勤先でも万葉カルチャー講座に参加されたり、関西に戻られてからは「万葉の大和路を歩く会」に参加されて、「万葉の旅」を楽しんでおられる鴻上夫妻。
新居浜ご出身の鴻上さんが、地元の同窓会に帰られて、万葉の旅や近況などをお話しされた時に、犬養先生のことや、犬養万葉記念館の様子などをお話しくださったそうです。その時に同級生の方々が「犬養万葉記念館」のためにと集めてくださったご寄付をお持ちくださったのです。思いがけないみなさんのご厚意と、ご寄付に正直驚きで戸惑いました。鴻上さんは、私が納得できるようになつかしい「犬養先生との旅」の写真などもご持参下さいました。いまなお「万葉の魅力」に惹かれてご夫妻で、万葉旅行に参加されたり、ご自身で素晴らしい万葉写真を撮られて毎年「カレンダー」として親しい方々に届けておられることなど、たくさんうれしいお話を伺い、感心いたしました。きっと犬養先生もそばで耳を傾けておられたことでしょう。恐れ多くもありがたく拝受させていただくことにいたしました。鴻上さん、同級生の皆様、本当にありがとうございました。心より御礼申し上げます。

新年、あけましておめでとうございます。

2018年、平成30年を迎えました。皆様方におかれましては、つつがなく、穏やかな新年をお迎えになられたことと存じます。

昨年は、犬養孝先生の生誕110年という節目にあたりましたが、犬養先生を偲ぶ記念展、若菜祭、観月会はもとより、新年早々より1ヶ月間にわたり古代衣裳研究家の山口千代子先生の「冠位12階」の復元を記念した古代から奈良・天平時代までの素晴らしい「古代衣裳展」を開催させていただきました。そして年間を通じて、講演会・コンサート・イベントなど大変有意義で、魅力ある機会を提供できたことに、館長としても満足をしております。それらもすべてはご来館・ご参加頂いた皆様方のおかげで盛会であったということで、記念館が皆様方によって支えられていると言う実感をより強く感じました。本年は、犬養先生が亡くなられてから20年。ご神道のお家柄ですので「20年祭」というご神事を行う年でもあります。記念館の庭にある「山清水歌碑」は、犬養先生の奥様が亡くなられて20年祭の折に書かれた「色紙」をもとに建立されたもの。奥様の20年祭に立ち会ってきた私は、今年また犬養先生の20年祭にも同席させて頂くことと思います。「20年の月日」を思う今、明日は成人の日。20年前に誕生した若者に、月日の重みを感じます。

本年も変わりませず、どうぞよろしくお願い致します。