仲秋の名月
2017年の十五夜(旧暦8月15日)は、今夜の10月4日でした。夜空の本当に美しい月を観ながら、明日、高岡万葉まつりに出発する準備をしています。
犬養万葉記念館では、先駆けて9月30日(土)、石舞台公園で第50回万葉の明日香路に月を観る会を開催しました。50年前、犬養先生がお月見をされた場所は甘樫岡。私も犬養ゼミに入ってから、犬養先生に橿原神宮から歩いて甘樫岡の北斜面から登ってくるように・・・と教えて頂き、参加したことをなつかしく思い出します。月見の宴は、八雲琴・尺八・琴演奏、詩吟などを聞きながら、お弁当を頂き、犬養先生の書かれた万葉歌の短冊が添えられた竹筒の月見酒を飲みながら懇親をする・・・そんな機会でした。その後今日まで、川原寺や、石舞台公園の中でも場所を変えて、続いてきました。平成10年の月見の会は、犬養先生が逝去され、観月会がちょうどお通夜と重なりました。犬養先生とお別れをするのに葬儀場へ行かず、明日香村の観月会の会場で、月を仰ぎながら犬養先生を偲ばれた方を、私は何人か存じ上げています。ゆえに私にとって「月」は、犬養先生を偲ぶよすがとして本当に大事なものです。今年は犬養先生の生誕110年の年。犬養万葉記念館でも今年は意識して、恒例の行事も「記念事業」として行っていますが、お月見の会も、第50回も初回と同じ、犬養先生のコンセプト「飛鳥の方々と一緒に楽しむ」ことを旨とし、八雲琴、そして飛鳥太鼓の方々にも出演協力して頂きました。
そして、参加者の方にも「万葉朗唱」パフォーマンスをお願いしました。みなさん「役者」です。
メインのコンサートは、ムーンライトコンサートと銘打って、万葉うたがたり会の園田知子バンド、トリプルSなんちゃーずの出演。「月」をテーマに歌演奏を楽しみました。私の万葉曲も3~4曲あり、しみじみ聴くと満更でもなく・・・。(笑)
夕方の冷え込みが強くて、プログラム終了後、早々に散会しましたが「上弦の月」をはっきりきれいに見ることが出来ましたので、参加者も満足してくださったことと思います。
今夜も月を仰ぎながら、私たちの心に「やさしい光」を注いでくれる「月」がまさに犬養先生であることを思います。この時期に犬養先生が天国へ登られたこともあり、仲秋の名月は特に感慨深い「月」です。