万葉うたびとコンサートat犬養万葉記念館

DSCF9452今年も第15回万葉の歌音楽祭が予定されていますが、月日を重ねるにつ入れてイベントとして定着し、また応募の方々のレベルがあがり、作品も『万葉集』への意識、こだわりが強くなって来られることに、15年間の積み重ねをしみじみ感じます。また、応募者・入賞者それぞれがライバルですが、しかし「音楽祭」をめざされる同志であり、人間関係も生まれてきました。

昨年秋に試みとして有志で「万葉歌姫コンサート」が開催されました。万葉の歌音楽祭の歴代の大賞受賞者の女性4名が出演されましたが、大変好評で、今更に『万葉集』が歌になるなんて・・・という驚きや、音楽の楽しさに来場者の方々には楽しんで頂けました。その経験から、第1回から昨年までの「入賞者」を対象に同窓会的な再会も楽しみとした、また歌姫だけでなく男性も含めて「万葉うたびとコンサート」とリニューアルして開催されたのが今回です。昨年の会場は大和高田市のさざんかホールで行いましたが、今回は発信元である犬養万葉記念館を会場にして頂きました。また、時期的にも飛鳥→奈良の誇る行事として「ムジークフェストなら」にも登録したコンサートともなりました。

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6組の出演者、検校たかおさん、縄文さん、小楽師さん、ナオさん、松田郁美さん、万葉soulのステージは個性や音楽性や演奏スタイルなど、それぞれに異なりましたので、初めて聴かれた方もとっても楽しかったのではないでしょうか。また、衣裳や振りもあり、出演者の世界があって、目でも楽しんで頂けたことと思います。

今回の出場者以外にも、万葉の故地や地元で「万葉の歌」を通して、貢献しておられる方もあります。犬養先生は「歌は心の音楽である」と教えてくださいましたが、先生の御霊は弾む歌心、切ない歌心、素朴な歌心を聴きながら、喜んでくださったことだと思います。またこのような機会がありますように・・・、そして今週の万葉の歌音楽祭に向けて、再び切磋琢磨して頂き、万葉ソングをご披露頂きたいと願っております。最後になりましたが、お世話頂きました竹中さん、村尾さんに心より御礼申し上げます。

 

ピアニスト山田剛史さん

奈良県主催の「ムジークフェストなら」の演奏会場となって2年目の今回は、ピアノのソロコンサートが開催されました。昨年は館長の希望のアーチストにお願いしたいということで、トゥジュール・サクソホンアンサンブルの方々に素晴らしい演奏をして頂きました。そして今年は以心伝心、私の期待のアーチストを奈良県から打診してこられたのです。奈良市内(登美ヶ丘小学校)出身の山田剛史さんでした。実は、山田さんは以前、岡本館長の個人サロンでコンサートをして頂いたことのある身近な知人でしたので、偶然の機会と再会にうれしい機会となりました。DSCF9419
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県への申し込みは約200名。それを記念館ホールの定員に合わせて抽選が行われました。多くの方々が悔しい思いをし、いらっしゃれなかったことを申し訳なく思います。
当日の演奏曲は、バッハのフランス組曲第5番と長調、貴重なシェーンベルク3つのピアノ曲、あとは「海」をテーマに、ラヴェルの「洋上の小舟」、ショパンの「舟歌」、ドヴィッシーの「喜びの島」でした。
記念館に響く久しぶりのピアノの調べに、引き込まれる心地でした。
まだ35歳という若さですので、ご自身の演奏の意欲も豊かで、いろんな作品に臨んでおられます。次回のリサイタルでは、80分のバッハの大曲に挑まれるそうです。
また、クラシックの普及も兼ねて、小学校や公民館などへの演奏も積極的になさっておられる様子、なかなかです。
もちろん演奏にも性格や個性が現れますが、終始礼儀正しくやさしい青年の山田剛史さんでした。
余談ですが、初めてお目にかかったきっかけは、灘中・灘校OBのお母さんの会で、出演されたことでした。甥っ子の少し先輩にあたります。頭脳明晰の上、芸術的天分にも恵まれた山田さんをうらやましく思いつつ、またこれからも応援したいと願いつつ・・・あれから3年です。記念館でのご出演に心から御礼申し上げます。今後のご活躍を楽しみにしております。またゆっくり明日香村へ遊びに来てくださいね。
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清原和義先生没後20年を偲ぶ・・・。

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犬養万葉記念館は蔵書をはじめ、私物も含めて犬養孝先生が明日香村へ寄贈された数々のものが収められているが、犬養先生の後継者と目されておられた武庫川女子大大学名誉教授の清原和義先生の蔵書や色紙、写真なども多く寄贈されており、お二人の館と言っても過言ではない。その清原先生は、残念ながら犬養先生より1年早く亡くなられ、犬養先生の落胆ぶりは今も忘れることのできない光景が思い出される。6月で没後20年を迎えられることから、私たちも良い機会だと思い、シリーズ「犬養先生を語る」➂として、兄弟弟子にあたる山内英正さんに「清原先生と犬養先生」というテーマでお話をして頂いた。ありがたいことに、清原先生の奥様や、ご長女の佐紀さんもご出席くださり、武庫女のかつての教え子たち、また興味を持ってきてくださった方々等、20余名が参加してくださった。山内さんも懐かしい貴重な資料をご持参くださり、つい昨日のことのように、お話に聴き入った。DSCF9278
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清原先生の誠実で、恩師への責任感と思いやりあふれる姿や、山内さんとの兄弟のようなやりとり、清原先生の功績とこだわり、細やかなエピソードに、笑いと涙の交叉する貴重なひとときとなった。ご家族もきっと、家庭人とは違った清原先生の人間性を垣間見られたことだろう。現在ホールでは、清原先生が写された写真パネルの展示をしている。学生時代みんなのうちで「犬養先生で万葉を楽しみ、清原先生で万葉を学ぶ」という納得があった。犬養先生と共に、共通の同志として多くの方々から慕われておられた清原先生。万葉風土研究会(万風研)からも立派なお花が届いた。お別れして20年という月日は長いけれど、決して風化しないみなさんの心を確認した機会でもあり・・・。記念館では清原先生の蔵書などもともに配架しておりますので、またどうぞ手に取ってご覧くださいませ。

清原先生、永遠に・・・💛