さわらび万葉講演会「万葉集の成り立ち」を開催しました!(令和4年7月24日)

7月24日(日)、久しぶりに犬養万葉記念館では、万葉講演会を開催しました。令和になって『万葉集』発信に張り切っていたのも裏腹に、コロナ禍により以前よりも活動のしにくい状況となり、大変残念に思っていました。結果的には今も第7波と言われる不安な状況ではありますが、今春久しぶりの企画に感染対策や、みなさんの合意に基づいて講演会を開催しました。

会場は犬養万葉記念館ではなく、「太子の湯」のある村民の拠点、「明日香村健康福祉センターたちばな」のかんなびホールで開催、定員以上の40名の参加を得ました。講師は近畿大学名誉教授の村瀬憲夫先生。今は紀伊万葉ネットワークの代表でもいらっしゃいます。先生の研究対象の中から、今回は「万葉集の成り立ち」についてお話を頂きました。

『万葉集』講座は、やはり収録されている万葉の歌の理解が先行し、作歌論や歌人論が多い中で、今回は書物としての『万葉集』の姿を解説して頂きました。専門的だったかもしれませんが、村瀬先生の軽妙な例えや、楽しいお話しぶりにみなさん楽しんでくださったのではないでしょうか。

犬養万葉記念館としては、明日香村での『万葉』関連情報の発信基地として、講座・地域ネットワーク・万葉歌碑情報・その他、もう少し頑張ってみようと思います。2回目のさわらび講演会の開催も企画しながら、みなさんと「万葉人」との距離をもっともっと近づけていきたいと思っています。

 

「大和の犬養万葉歌碑を歩く」が完成!

令和3年のトピックスです!

12月吉日付で、待望の「犬養万葉歌碑」を訪ねて歩くハンドブック(形式)の大和版本を発行することができました。昨今環境問題が大きく取り上げられる時代になり、故地保存について大きな一石となった犬養孝先生の歌碑建立についての意義と、令和を生きる時代の方々にもぜひ周知して頂きたく、手軽に持ち歩ける歌碑本の制作が期待されていました。犬養万葉記念館事業の一環として、第1弾「大和版」の出版をきっかけに、地域を拡大して続編も予定しています。まずは、みなさんに手に取って頂き、歩いてみてください。旅の道連れとなりますように・・・。(岡本)

内容につきましては、大和(奈良県)に設置されている犬養孝先生揮毫の万葉歌碑44基ならびに関連碑・施設7ヵ所について記録した冊子を発行しました。全国にある歌碑が141基ですから、およそ3割が大和にあることになります。最後に記録した44基目の大伯皇女の歌碑は三重県名張市ですが、万葉時代の「畿内」に属するところから「大和」に区分しています。すでに「犬養孝揮毫の万葉歌碑探訪」が和泉書院より発刊されていますが、その後建立された歌碑や関連設備があるため、今般作成することといたしました。歌碑のある場所を示した地図もついており、見どころなども記載しております。A5判で携帯しやすく、また見やすく作成しております。この本を片手に是非、大和にある犬養万葉歌碑を歩いてください。犬養万葉記念館で販売しております。税込み700円です。(郵送もしております)

明日香小学校3年生の郷土学習(明日香学)見学会によせて

明日香村では、明日香小学校・聖徳中学校と1校ずつしかない義務教育を、9年の一貫教育として教育行政を進めている。そして、地域の特別授業科目に「明日香学」というカリキュラムがあり、明日香村の伝統芸能への理解や、明日香村ならではの体験授業を通して、子供たちが少しでも地元「ふるさと明日香村」への意識が高まるような教育が組み込まれている。

去る10月29日、明日香小学校3年生が犬養万葉記念館を訪れてくれた。たった30分だけの見学であったが、かつて犬養万葉記念館で私と3年生とが出会ったことで「万葉かるた」授業が生まれたり、こどもたちが「万葉朗唱」の体験をして「さおとめセブン」という、将来万葉朗唱を継承していってくれる子供たちが生まれた。今回も久しぶりの見学案内を受け入れる側の私たちが心弾んだ。1学年が班に分かれて明日香村のいくつかの施設を見学していたようで全員ではなかったが、恐る恐る入館してきた子供たちもすぐに馴染んで、私の話をメモを取りながら聞いてくれた。私はもともと子供たちの音楽教室の先生だったので、子供たちと対するのは大歓迎で、子供たちの反応が興味深かった。

犬養万葉記念館を訪れたのも初めてという子がほとんどで、明日香村村民へのアプローチや絵画展・書道展を通して記念館への誘いを図っているが、やはりまだまだ浸透していないようだった。しかし、「赤米の実り」「たばこの箱で作られたカルタ」「ぬばたまの実」など、目で理解できるものは素直な驚きや感動があったようで、それだけでも十分だと感じた。図書室もあるし、マンガの本もあるよ。ピアノもあるよ。ご飯も食べられるよ。と話し、「また来てね」というと「明日きま~す」と調子のよい返事。初めて犬養万葉記念館に入ってみて、また来てみたいなと思ってくれれば幸いと思う。

辛口で締めくくらせて頂ければ、私たちはいくらでも子供たちのための企画やイベント・出張講座など努力をしているつもりだが、明日香村の対応、教育委員会の積極的な誘導、小学校・中学校の先生方の消極性には歯がゆい思いがする。観光客や外部のための目線より、明日香村を今後背負っていく子供たちへのアプローチや教育の方がずっと必要ではないのかなと感じている。

世界遺産登録に『万葉集』のふるさとであることを含めたコンセプトであるならば、村民を挙げての明日香村を理解するための努力をしてほしい。犬養万葉記念館を指定管理する私たちの役目は観光客だけのものではないと自負している。(岡本三千代)

(終了しました)ヒオウギの種(ぬばたま)差し上げます!

終了しました。また来年を楽しみにしていてください。


今年実ったヒオウギの種、万葉の「ぬばたま」差し上げます。
当館に取りに来ていただけるとうれしいですが、郵送も可能です。

夏にはこんな花が咲きます!

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634-0111 奈良県高市郡明日香村岡1150

南都明日香ふれあいセンター 犬養万葉記念館

電話:0744-54-9300 FAX:0744-54-4200

e-mail:info@inukai.nara.jp https://inukai.nara.jp/wp/

海南市役所移転による犬養万葉歌碑の移設

海南市役所北側に設置されていた犬養先生揮毫の万葉歌碑も、市役所の移転により、2017年(平成29年)4月から11月の間に海南市名高の快しん整体和歌山海南院の西緑地(JR海南駅南方150m)に移設されています。

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海南市名高の快しん整体和歌山海南院の西緑地(JR海南駅南方)に移設された歌碑

「紫の 名高の浦の なのりその 磯になびかむ 時待つ我を」

 

 

 

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向こうに紀勢線の鉄道(高架)が見える。海南駅はここから左に150m

 

 

 

 

歌碑の横に立つ税務署の看板が歌碑の景観を損ねています。

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得生寺(有田市)にある犬養先生揮毫の万葉歌碑

得生寺(有田市糸我町中番229)の本堂左脇に設置されていた犬養先生揮毫の万葉歌碑が、平成20年4月に糸我愛郷会により正門前に移設されました。建立・除幕されてから、なんと2回めの移設ですが、歌碑も最良の地を得て、犬養先生の「糸我の桜」の歌が映えます。

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立派な台座に移設され説明版もあり、百日紅がきれいでした。

 

 

 

 

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移設の碑があります。

 

 

 

 

 

 

 

境内正門からの眺め。良い場所に移設されています。犬養先生の歌碑に対する、得生寺さんと地元の方々の思い入れが伝わってきます。

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玉津島神社(和歌山市)の犬養先生揮毫万葉歌碑が移設されました。

和歌の浦の玉津島神社にあった犬養先生揮毫の万葉歌碑が、昨年本殿脇に移設され、その一角を令和3年3月31日に「万葉広場」として公園整備を完了なさいました。奠供山の登頂が困難な方のために横手には「歌枕展望広場」も設置され、玉津島神社さんの「万葉故地」に対する意識、熱意が伝わってきました。ずっと朱塗りの柵が歌碑の背景としておなじみでしたが、広場に移設した歌碑の周辺には、今後万葉植物などの植栽なども予定されています。コロナが落ち着いたら是非お立ち寄りください♪

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移設された歌碑

 

 

 

 

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「歌枕展望広場」から万葉広場を望む。

 

 

 

 

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本殿前にある「歌枕展望広場」の表記。

 

 

 

 

 

6月11日の朝日新聞夕刊は「(現場へ!)万葉を旅する:5(最終回)「令和」考案?の中西進さん 語った万葉集と「風土」

朝日新聞デジタルからご覧いただけます。

https://www.asahi.com/articles/ASP625QYJP5ZPLZU007.html?iref=pc_rensai_short_1256_article_5

6月10日の朝日新聞夕刊は「(現場へ!)万葉を旅する:4 ツアーで漫画で、感じる古代」

朝日新聞デジタルからご覧いただけます。

https://www.asahi.com/articles/DA3S14935369.html